体験記 No.2

2010年10月生まれ 女の子
父はアトピーなし。母が幼少期から軽いアトピー(母も娘と一緒に脱ステロイド!)

脱ステロイドから1 年半が経過。信じられないくらい良くなりました。美津子先生に出会え、脱ステロイドという選択ができたことに本当に感謝しています。また、きらきらぼしで同じ悩みを抱える方たちとも出会うことができ、とても心強いです。ステロイドに頼らない治療がもっと広まり、自然治癒を目指す方が増えていきますように。

生後:1ヶ月~ (2010年11月~12月)

顏に湿疹が出始める。数日経つと消えてしまったので特に何もしない。

小児科の先生にアトピーを予防できるか尋ねたら、母乳をあげている間は牛乳や卵などアレルギーになりやすい食品を控えて下さいと言われ、食事に気を使う。

生後:2ヶ月~ (2010年12 月~2011年1月)

再び顏に湿疹が出始める。生後2ヶ月検診で乳児性湿疹と診断される。
かかりつけの小児科で塗り薬を処方される。ヒルドイドソフト軟膏とプロペトで保湿するように言われる。ヒルドイドは1 日2 ~3回を体と顏に。プロペトはヒルドイドを塗ってもカサカサが気になる場合に塗るように。オムツかぶれにはエキザルベを処方される。エキザルベは症状が治まるまでの3 日間ほど塗りその後は亜鉛華軟膏に変更するように言われる。顏の症状にも亜鉛華軟膏を使用しても構わないとのこと。
このときエキザルベがステロイドであることについての説明はなく、知らずに使っていた。

★クスリ・・1 プロペト 2. ヒルドイドソフト軟膏0.3% 3. エキザルベ 4. 亜鉛華軟膏

湿疹が引かない。痒がって機嫌が悪くなることはないが、手の甲で顏をよくこする。眠たい仕草なのか痒いのかよく分からない。
さらに半月ほど経過すると、湿疹は赤い点々だけだったのが、だんだんジュクジュクしてくる。特に両頬と耳の間。

生後:3ヶ月~ (2011年1月~2月)

湿疹が広がり、生後3ヶ月検診でおそらくアトピー性皮膚炎だろうと診断される。
生後3 ヶ月検診で、ステロイドと非ステロイド、両方の軟膏を処方される。保湿は今までどおり続け、ステロイドを症状が治まるまでの3 日間ほど1 日2 回塗り、その後非ステロイドの軟膏に変更するよう言われる。
小児科の医師に、ステロイドは継続して長期間使用するのは避けるべきだが、短期間使用する分には副作用の心配は要らないので、副作用を恐れずしっかり塗って早く治すよう、また塗る場合は湿疹の出ている箇所をしっかり覆い隠すくらいに塗るように説明をうける。アルメタは特に弱いクラスのステロイドで、加えてプロペトと混ぜて使用するので、副作用の心配はまず要らないとの説明。

★クスリ・・1 プロペト+ アルメタ軟膏  2. ヒルドイドソフト軟膏0.3% 3. コンベック軟膏5%

ステロイドを塗ると湿疹が軽くなってくる。しかし非ステロイドに変えた途端、顏や体が真っ赤に。湿疹だけでなく、全体的に腫れあがった感じ。急に状態が悪くなったので病院に行ったところ、非ステロイドの軟膏にかぶれた可能性があると言われ、リンデロンとアルメタを処方される。1 週間後に診察にくるよう言われる。

まず症状を抑えることが大切なので、リンデロンを1 週間しっかり塗るように言われる。ただし1 週間を超えてはいけないとのこと。1 週間経過したらアルメタに変更。症状のひどい顏にはリンデロンから。体はアルメタを塗るように言われる。保湿もそのまま継続して行う。

★クスリ・・1. リンデロン-VG 軟膏0.12%  2. アルメタ軟膏

リンデロンを塗ると、多少湿疹が残るもののツルツルのきれいな肌に。あまりの効き目に、肌がキレイになった嬉しさの反面、怖い感じがする。ちょうどこの頃、母が本屋で探してきた佐藤先生の本、「赤ちゃん・子どものアトピー治療 ステロイドにNO!を」に出会う。でもすぐには脱ステロイドには踏み切れず、そのままステロイドを使用。

1 週間後の診察で、1 週間を超えてはいけないと前回説明をうけたリンデロンをこのまま使うように言われる。疑問に思ったが、治しきってしまうことが先決と言われる。リンデロンを塗り続けると、血管が透けて見えるほどのツルツルの白い顏に。あまりのツルツルな肌に違和感を覚える。佐藤先生の本、P53:ステロイドの局所副作用・ステロイド美肌であると実感。生後4 ヶ月を目前に脱ステロイドを決意!

生後:4ヶ月~ (2011年2月~3月)

脱ステロイド開始!脱ステロイドから数日で湿疹が出始め真っ赤な顔に。
脱ステロイド、脱保湿を開始。2 日目くらいから湿疹がポツポツ出始め、あっという間に元の状態よりひどい状態になってしまう。不安でたまらなくなり、すぐに佐藤小児科に診察の予約(2 週間先)を入れていただく。この時はこの肌の状態でとてもとても酷い症状のような気がして家族でドーンと落ち込む。

脱ステロイド開始から約2 週間後、佐藤小児科を初受診。赤かった湿疹が黄色のかさぶたに変わってくる。体も全体に赤くゴワゴワした感じ。痒みはそれほどひどくないようで、本人もあまり痒がっていない。

美津子先生に2 時間ほどかけて身体を診ていただき、さらに脱ステロイドについて丁寧に説明をしていただく。今の状態はそんなに悪いものではなく、かさぶたになっているが乾いているので、このままであれば軽く済むかもとのこと。この時はこれが軽い症状なのかとビックリする。

脱ステロイド開始から約1 ヶ月。かさぶたが剥がれ、あっという間にジュクジュクの顏になっていく。日々悪化していく状態に、落ち込むよりもただただ驚く毎日。痒みも増してきた様子で、よく掻くようになってくる。まだ指を使ってポリポリ掻けないので、手の甲を使ってゴシゴシこすっている。晩も頻繁に起きるようになってくる。

生後:5ヶ月~ (2011年3月~4月)

脱ステロイドから1ヶ月。坂道を転がるようにどんどん悪くなってくる。

顏は全体に赤くベタベタし、痒みがひどく一日中掻いている。夜も掻き毟り、泣きながら1時間おきに目が覚める。服や布団は血や浸出液でドロドロに。抱っこすると眠ってくれるので、抱いたまま眠る毎日。この頃は予防接種のスケジュールがピークで、近所の小児科に行くと、先生にステロイドを使うよう毎回説得を受ける。石鹸で洗顔もしていないことなどを伝えると、育児放棄と叱られるが気にしないように。良くなってから診せにいくことを目標に毎回辛抱。保健センターの検診でも、相当ビックリされる。まわりのお母さんたちの方が驚かずに励ましてくれる。

脱ステロイドから1ヶ月半。ひどい痒み。浸出液の量もどんどん増え、顏も全体に腫れあがっている。乾く間もなく、一日中ジュクジュクの状態。お風呂はお湯でさっと流すだけ。爪が上手く切れないので晩だけミトンをつける。
この頃から離乳食開始。

生後:6ヶ月~ (2011年4月~5月)

脱ステロイドから2ヶ月。いちばん酷い状態のとき。
掻き毟った顏は真っ赤でベタベタ。かさぶたで顔中真っ黒で皮膚が見えない。夜もほとんど眠れない。どこまで悪くなるのか先が見えずに不安な毎日。気候の良い時期で、気晴らしに散歩や買い物にもよく連れて出るが、出た先々でビックリされる。小さな子どもには怖がられてしまう。ただ、同じようにアトピーで苦労された方も多く、励ましの言葉をもらうこともしばしば。
毎晩抱っこして眠らせているときにmixi の「脱ステロイド・脱保湿療法」コミュニティを見て、他の方たちの症状やアドバイスを参考に。同じ思いをしているみなさんの体験を読み勇気づけられる。掻くことはあまり制限していないつもりだったが、『掻かせるから治っていく』ことをたくさんの方が経験として語っていたのを読んで、この頃から、「どんどん掻け掻け~」と好きなだけ掻かせるように。以前は掻いている姿が痛ましく悲しかったのが、不思議とあまり気にならなくなってくる。
こんな状態でも、娘はよく笑いよく遊び元気いっぱい。娘の笑顔に逆にこちらが励まされる。

脱ステロイドから2ヶ月半。相変わらずひどく痒がり、夜も眠れない。かさぶたが出来ては掻き毟って剥がれての繰り返し。変化はあまりないが、離乳食は順調に進み、なんでもよく食べる。
美津子先生から、体重も増えているので問題ないと言ってもらい安心。お風呂が大好きなので、浸出液の出方を見ながら、基本的には毎日いれて、ぬるめのお湯で身体をさっと流す。

生後:7ヶ月~ (2011年5月~6月)

脱ステロイドから3ヶ月。少し変化がみられるように。
かさぶたが少しずつ小さく薄くなってくる。ジュクジュクしているものの、乾いている時間が出てくるようになってくる。好きなように掻かせるようにしてから、あまり掻き毟らないように。掻き方も上手になってきたようで、痒いところを上手にポリポリ掻いている。

脱ステロイドから3ヶ月半。ジュクジュクする時間が短くなり乾くように。かさぶたの厚みも薄くなっている。赤みがひいて、肌が見えるようになってくる。少し回復の兆し?

足首から感染し、蜂窩織炎で1週間点滴入院。美津子先生に電話したところ、点滴で水分をとることで悪化するかもしれないので点滴の量を減らしてもらうように・・・とのこと。病院の先生にお願いしたところ、すぐに対応してもらえる。ただ、やはりジュクジュクが戻ってきて、顏が真っ赤に。幸い1週間で退院することができ、湿疹だらけの顏についてそれほどとやかく言われない。ただ、皮膚科を受診するよう強く勧められ診察を受ける。脱ステロイドについて説明をし、ステロイドを使わないことを承知してもらう。額にヘルペスの診断がついたので、抗生物質のクスリを服用することに。

生後:8ヶ月~ (2011年6月~7月)

脱ステロイドから4ヶ月。この頃から良くなってきた!という実感が出てくる。
退院後、悪化した時期もあったが、脱ステロイドから4ヶ月が経ったころから、湿疹が小さくなり肌が見え、真っ赤だった顏が白く見える時も。つながりあっていた掻き毟った部分が小さい点々に見えるようになってくる。この頃には、夜3 ~ 4時間続けて眠れるようになってくる。

脱ステロイドから4ヶ月半。相変わらず掻き毟ってはいるが、掻いてもジュクジュクしなくなり湿疹も小さくなってくる。顏の腫れもひいてきて、目がパッチリしてくる。
外を連れて歩いても以前ほど驚かれなくなってくる。

生後:9ヶ月~ (2011年7月~8月)

脱ステロイドから5ヶ月。
痒みがひいてきたようであまり掻かなくなってくる。また乾いている時間がどんどん長くなってくる。今まで見えなかった眉毛がなんとなく見えてきて、子どもらしい顏に。離乳食もどんどん進み、たくさん食べて体重もぐんぐん増える。

脱ステロイドから5 ヶ月半。かさぶたがとても小さく薄く変化。ただし2~3日周期で状態がコロコロ変わり、写真のように、白くなったり真っ赤になったりの繰り返し。朝まで眠れる日が出てくる。母もとても楽になってくる。

生後:10ヶ月~ (2011年8月~9月)

脱ステロイドから6ヶ月。
今までは湿疹の中に肌が見えていたのに、肌の上に湿疹が出ているように見えてくる。赤い湿疹は出るが、掻いてもジュクジュクしない。
眠たいときや空腹のときなどしか掻かなくなってくる。

生後:11ヶ月~ (2011年9月~10月)

脱ステロイドから7ヶ月。
湿疹は出るがジュクジュクしない。あまり掻かなくなってきたが、突発的に掻き毟る時もしばしば。まだ状態は安定せず、日によって写真のように湿疹が急に出る日もあるが、症状は長くは続かない。

生後:1 歳~ (2011年10月~11月)

脱ステロイドから8ヶ月。
顏が白くなり、赤みはあるが湿疹の出ない日も。ただやはりこの状態がずっと続くわけではなく、赤くなったり、ぶつぶつが出たりの繰り返し。痒がるのは眠たいときだけ。

生後:1歳1ヶ月~ (2011年12月~2012年1月)

脱ステロイドから9ヶ月。
ずいぶん良くなってくる。強く掻いても傷つかなくなり、肌が強くなってきたことを実感する。
冬場で肌がカサカサ乾燥した感じ。

生後:1歳2ヶ月~1歳4ヶ月 (2012年1月~3月)

脱ステロイドから、9ヶ月、10ヶ月、1年(上から)
状態が安定してくるが、ほっぺはいつも赤い状態。たまに湿疹がポツポツ出る日もあるが、劇的に悪化したり長引くことはほぼない。
ただ手づかみ食べを初めてから、食べこぼしによりアゴのあたりが痒くなり、食後や眠たいときにひどく掻くので、食べる前にワセリンを塗りガードする。

現在 (2012年6月)

脱ステロイドから1年4ヶ月。
蒸し暑くなってきて、背中やひじの裏側にアセモが少し出てくる。顏にも少し湿疹が出る日もあるものの、とても安定した状態が続いている。ただ湿疹が顏に出ていなくても、眠くなると必ず顏を掻いている。ひどく掻くときもあるが肌はほとんど傷つかない。


 

生後3 ヶ月でアトピーと診断されたとき、私がアトピーのせいで娘もアトピーになってしまったのか・・・と暗澹とした気持ちでした。
自分がステロイドを使っていたせいで、何の疑問も持たずステロイドを娘にも使ってしまいましたが、佐藤先生の本と出会い、ステロイドを使わなくても治ることを知り、脱ステロイドを決意できたことは本当に幸運だったと思います。

泣き叫んで顏を掻き毟り、夜も満足に眠れない娘の姿を見るのは本当に辛く悲しかったですが、家族の支えのおかげで、脱ステロイドという選択をしたことを後悔することはまったくありませんでした。「きっとよくなる、きっと上手くいく」と毎日唱えていました。

痒くて辛いはずの娘が、よく遊びよく笑い、その笑顔が心の支えでした。
今思うと本当にひどい状態の顏でしたが、その時その時が可愛くてたまらず、夫と毎日大量の写真を撮りました。

ずいぶん良くなりましたが、完治という訳ではなく今でもある日突然湿疹が出たりひいたりしています。

脱ステロイドを開始した当初、予防接種などで近くの小児科に行くと、どんな治療をしているかよく尋ねられましたが、「特に何もしないんです。」と言うと怪訝な顔をされ、「それは育児放棄。ほったらかしてるだけですよ。」ときつく言われました。でも美津子先生に「それでええねん!」とバッサリ言っていただけ、月に一度体重を計り、成長を確認していただき、話しを聞いていただきアドバイスをしていただく、それだけで心が軽くなり「このままがんばろう~」と思うことができました。

また、娘と一緒に私も脱ステロイドを開始。最近では手だけにしか症状が出ていなかったのに、あれよあれよと悪化していき、ここ10 年ほど症状が出たことがなかった顏や頭、胸のあたりにまで湿疹が出て、あたらめてステロイドの怖さを実感しました。私自身も阪南中央病院で診ていただき、佐藤健二先生に「なんもせんと、ほっといたら治る!」と言われ肩の力がスッとぬけました。よくなったり悪くなったりを繰り返すものの、現在はずいぶん楽になりました。
娘がいなかったら、ずっとステロイドを使い続けていたと思います。

特別なことは何もせず、痒かったら掻かせる。しっかり食べる。普通どおりの生活をしていればよくなる! 娘も私も佐藤先生ご夫婦の言葉どおりでした。

子どもの生命力は本当に素晴らしいです。

脱ステロイドという選択がもっと広く受け入れられ、ステロイドに頼らず自然治癒を目指す方が増えていきますように。

2016/08/18